近年、慢性腎臓病(CKD:chronic kidney disease)に対する取り組みが、世界的な広がりをみせています。
慢性腎臓病とは、腎臓に障害があり、腎臓の機能が低下した状態をさします。その原因の多くは、持続的に炎症が起こる腎炎や糖尿病、高血圧、高脂血症(脂質異常症)などの生活習慣病です。
慢性腎臓病は自覚症状が少ないために、気付かずに放置されがちです。その間にも腎臓の働きは徐々に低下し、慢性腎臓病が進行していきます。腎臓が十分に働かなくなってしまった場合には、生命に危険を及ぼすため、透析療法や腎臓移植が必要となります。
慢性腎臓病の危険因子には、①高血圧②高血糖(糖尿病)③高脂血症(脂質異常症)などの生活習慣病や、④肥満⑤喫煙などが主に挙げられます。これらの多くは、心血管疾患の危険因子とも共通しているため、慢性腎臓病の患者さんは心筋梗塞・心不全および脳卒中の発症が高いことも指摘されています。
しかし現在では、慢性腎臓病を早期に発見し、適切な食事療法や生活改善、薬物療法を行えば、その進行を遅らせ、新たな合併症の発症を回避することが可能になりました。
慢性腎臓病を予防し進行を遅らせるためには、患者さんご自身やご家族にも治療に参加していただき、みんなで一緒に「腎臓を守る」ことが重要になります。そのお手伝いやサポートを行っていくことを目的として、院内の様々な職種が集まって「CKDサポートチーム」を結成し、幅広い視野から情報収集を行って対策や取組みを協議しています。
診察の場を通して、それぞれの患者さんやご家族へ、今必要な治療や情報の提供をさせていただくのはもちろんですが、年6回行われる「腎臓病勉強会(腎愛会)」などを開催したり、地域の病院・診療所の先生方とも連携・協力して、みんなで一緒に「腎臓を守る」活動を行っています。
個々の患者さんの疾患を中心に、その病気を治療するためにはどのような分野の協力が必要か細かく分析した結果、 現在では5つの診療チームが編成されています。
それぞれのチームは、チーム医療による成果を確認しながら、さらに診療技術を高め、新たな患者さんの治療に役立てています。

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入院された患者さんの病気や栄養状態によって、必要としている栄養やそれを補う方法もそれぞれ異なってきます。栄養が悪いと病気も治らなかったり、合併症を引き起こす原因になったりします。
そこで東葛クリニック病院では、栄養が充分に摂れない状態であったり、食べる量が足りていなかったりしている患者さんに、病態や治療に合った栄養療法を考えていく栄養サポートを行っています。
そのために医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・臨床検査技師・理学療法士・医事課など、それぞれが専門的な知識や技術を出し合っています。職種の垣根を超えて最良の栄養支援をするのが栄養サポートチーム(NST,Nutritional Support Team)です。NSTは専門スタッフを中心に、病院の全スタッフがNSTのメンバーとなっています。
1.NST検討会
毎週月曜日に各部署・チームからの報告が上がります。そこで各部署持ち回りで講義を行い、栄養療法に関する知識を広めながら症例の検討を行っています。
◎ランチタイムミーティングの予定はこちらから
2.コンサルテーション
NSTメンバーはいつでも、スタッフからの栄養療法に関する相談を受け付けています。
3.NST回診
月曜日のランチタイムミーティングと木曜日の午後に回診を行っています。実際に患者さんの病室に伺い、栄養状態や全身状態などを診ていきます。食事の内容を変更したり、場合によっては静脈栄養や経腸栄養を考えたりします。どのような栄養療法が必要なのか、チームで絶えず意見交換をしています。
4.NST外来
木曜日の午後にNST外来を行っています。低栄養や過栄養の患者さんに対して、栄養状態・全身状態を評価します。
必要があれば、PEG(経皮内視鏡的胃ろう造設術)などの栄養療法を検討します。NST外来は、医師を中心に看護師、管理栄養士がサポートします。
2001年に栄養療法に関心のある消化器外科医のもとで単科型のNSTが始まり、2002年10月から全科型NSTが発足しました。日本静脈経腸栄養学会の教育認定施設、日本健康・栄養システム学会の臨床栄養師認定施設、日本栄養士会栄養サポートチーム担当者研修認定教育施設にもなり、実地修練・臨床実習が可能です。2005年から見学者・研修生の受け入れを行っています。現在では院内に止まらず、地域社会に開かれた栄養サポートとするため、地域での勉強会なども行っています。
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秋山 和宏(あきやま かずひろ) / 副院長、消化器外科部長、顧問 深沢 雄一(ふかさわ ゆういち) / 消化器外科医長、チェアマン 小川 晴久(おがわ はるひさ)/管理栄養士、NST専門療法士、専従者 高崎 美幸(たかさき みゆき) / 管理栄養士、NST専門療法士 徳永 慶子(とくなが けいこ) / 薬剤師、NST専門療法士 相原 美希(あいはらみき)/看護師 他 |
医療施設においては、患者さんの高齢化や医療の高度化、使用薬剤の多様化などにより、院内感染のリスクが年々、高まっています。 安全な医療の提供と信頼を確保するためには、病院内の感染対策は最も重要なテーマであり、より適切な対策が必要とされています。 そこで当院では、院内を横断的に活動する「感染対策チーム(ICT)」をつくり、その実動部隊としています。
ICT(Infection Control Team)は2003年10月に、院内感染対策委員会(ICC)の承認を得て発足しました。構成メンバーは医師2名、うち1名は感染制御ドクター(ICD)、感染管理認定看護師(ICN)、感染制御認定臨床微生物検査技師(ICMT)、薬剤師、管理栄養士、リンクナース(診療現場とICTを"つなぐ"感染予防のリーダー)です。
お互いの専門分野をフルに生かしてチームで協力し合い、エビデンスに基づいた感染対策の提案、指導、実践、評価を行っています。
- 定期的な感染対策講演会の開催
- 感染予防サーベイランス(調査監視)
- バスキュラーアクセス関連のサーベイランス
- 耐性菌サーベイランス
- 透析カテーテル関連血流感染サーベイランス
- インフルエンザサーベイランス ほか
- 院内感染対策マニュアルの作成と定期的な改訂
- ICTミ−ティング(週1回)
- 病院内のラウンド(週1回)
- 感染症発生時の相談や助言・指導。感染対策の実践状況と評価
院内感染対策の実際
週1回、ICTミーティングを行い、各職種から病原微生物の検査結果、抗菌薬の使用状況、ディバイス(装置、器具、用具など)の使用状況などが報告され、院内における感染症発生状況を把握しています。
2004年4月から月2回、ICTニュースレターが発行され、感染関連のトピックスやサーベイランスの結果を報告しています。
また、院内感染講習会は感染症に関わる最新情報や感染予防対策の強化に向けた内容を中心に、年2回開催しています。 2008年7月には「新型インフルエンザについて~透析関連施設において何が必要か~」のテーマで開催しました。
ICTラウンドでは、院内の隅々まで観察し、良かったこと、気がついたことなどを各部署に報告しています。その結果、問題があれば、どの部署でも速やかに改善されています。当院は中小規模の病院であるため、ICTは小回りがきき、現場へ直接出向いて対応することができます。
ICTチームは、感染予防の目で現場を見ます。その結果、現場のスタッフと連携することで直ちに問題が明らかとなり、 院内感染の制御に貢献しています。
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中井 宏昌(なかい ひろまさ) / 血管外科、感染対策委員長 秋山 和宏(あきやま かずひろ) / 副院長、消化器外科部長、感染制御ドクター 谷口 弘美(たにぐち ひろみ) / 看護師、感染管理認定看護師 末澤 梨佳(すえさわ りか) / 臨床検査技師、感染制御認定臨床微生物検査技師 他 |
褥瘡対策チーム(PUT、Pressure Ulcer Care Team)は、褥瘡対策を通じて医療の質の向上に貢献するために、 褥瘡リスク群の発生予防と早期治癒を目的として活動しています。
褥瘡対策委員会構成員医師、看護師、看護助手、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、医事課の7部門で構成されています。
褥瘡対策チームの主な活動- 毎週火曜日の褥瘡回診では、多職種による多角的な視点により褥瘡の治療に努めています。
- シリーズ化した院内勉強会を開催し、知識の伝達にとどまらず、 患者さん体験や実習など参加型の勉強会を行い、毎日のケアに直結するよう工夫をこらしています。
- 毎年、日本褥瘡学会に参加し、演題発表を積極的に行っています。
- 褥瘡対策用具の管理は理学療法士を中心としたチームで考えながら、エアーマットやポジショニング枕などを効果的に使用するよう工夫しています。
- 褥瘡対策マニュアルの作成と見直しを定期的に行っています。
- 月1回の褥瘡対策委員会による検討会議を実施し、問題に即応できるようにしています。
褥瘡対策チームは「多角的な視点でありながら、向かうベクトルは常に一つ」であることをモットーに、活気あるチーム医療を提供しています!
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秋山 和宏(あきやま かずひろ) / 副院長、消化器外科部長 浦田 克美(うらた かつみ) / 皮膚・排泄ケア認定看護師 |
当院では2005年4月より、足の治療の先進国である米国の技術を学んだ医師・看護師が中心となってフットケアチームを編成しています。メンバーは血管外科医、看護師、理学療法士、臨床検査技師、管理栄養士などで構成されています。
入院時にまず足のアセスメント(評価)を行います。たとえば動脈触知の有無やタコ、ウオノメの有無、神経障害の有無、間欠性跛行(かんけつせいはこう)の有無、皮膚乾燥・湿潤の有無などです。その後、定期的に足を観察しながら、爪切り・フットマッサージ・スキンケアなどの足のケアを行います。
足の検査としては、ABI(Ankle-Brachial Index)で血管の詰まり具合を調べて動脈硬化症のリスク判定を行います。また、SPP(皮膚潅流圧測定)で血流の状態をべ、3DO(3-Digital Orthotics)で足底圧や歩行状態を判定しています。万一、糖尿病性の下肢潰瘍や動脈硬化症が原因で生じた難治性潰瘍傷になった場合でも、当院の「創傷ケアセンター」で治療を受けることができます。 当院のフットケアチームは、緊密なチームワークによって多様なタイプの創傷に対応しています。なお、透析治療専門の当院サテライト(分院)でも、継続してフットケアのフォローを行っています。
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内野 敬(うちの たかし) / 副院長、血管外科部長 佐々木 司(ささき つかさ) / 血管外科 辻 知世美(つじ ちよみ) / 看護師 佐藤 直美(さとう なおみ) / 看護師 他 |














東葛クリニック病院