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2010年度(第19回)看護研究発表会

日時: 2011年3月6日(日)09:30~13:00
会場: 多目的ホール

東葛クリニック病院看護部は約160名の大所帯です。本院とは別に6か所の関連透析施設を有しているため、同じ法人組織に属していながら、お互いに顔を合わせる機会は多くありません。しかも、糖尿病や慢性腎不全(CKD)に伴う血液透析治療、創傷ケア、フットケアなどに高い専門性を持ち、共通する課題も少なくありません。したがって、看護研究発表会の場は、お互いに看護技術の情報を共有する機会として大切なものとなっています。
 今回は日曜日の開催にもかかわらず、勤務中のスタッフを除く約100名が参加、質疑応答を含めて持ち時間10分という制約のなか、14もの演題が揃い、高度な研究発表が続きました。
 遠藤優子看護部長は「最初はわずか数名での研究発表会でしたが、今では100名を越す参加を得られるようになりました。お互いに学び合うことで発表の仕方も驚くほど洗練され、専門性の高い看護学会のような雰囲気になっています。何より"Tokatsu Medical Team"とでも呼びたくなるようなまとまりのよさが嬉しい」とスタッフの成長ぶりに目を細めています。
 今回の研究テーマと発表者、その概要は次の通りです。

【研究発表】
1. 「足に関心を持つことは、セルフケア能力向上の第一歩」
~みんなで足に気持ちいいことやってみよう!~
◆東葛クリニック柏/藤野いそ子

フットケア委員をインストラクターに「10分間トリートメント」の技術を学び、スタッフのスキルアップを図りながら、患者さんのセルフケア能力の向上に取り組みました。

2. 「クッションっていいな」
◆東葛クリニック病院 3階/渡邊千佳子

長期間、病床に臥している患者さんに、心地よい寝姿勢をとってもらうにはどうすればよいか。既成のクッションに手を加えながら、いかに独自のクッションを編み出してきたか、その経過が報告されました。

3. 「透析患者さんの心理を捉える看護を実践するために」
~第1段 看護必要量からみた業務改善~
◆東葛クリニック病院 入院HD(血液透析)/佐々木絵理香

「私たちはどこまで患者さんの気持ちに寄り添った看護ができているだろうか……」。そんな反省に立って各現場の看護必要量を測定、適切な人員配置と業務改善の努力につなげていきました。

4. 「爪切りに不安感を持つスタッフへの技術指導」
◆東葛クリニック新松戸/田村かおり

透析患者さんは、高齢になると視力の低下や感覚の麻痺などにより、徐々に自分でフットケアができなくなります。そこで健常者には簡単に見える「爪切り」も看護では大きな問題となります。その克服過程を報告します。

5. 「透析中の血糖の変動と血糖異常時の対応」
◆東葛クリニック松戸 3階/横山麻衣

透析液には低血糖を予防するためのブドウ糖が添加されていますが、それでも透析中に低血糖を引き起こすことがあります。その対策は「たとえ透析中でも、血糖異常に対する処置を怠ってはならない」というものでした。

6. 「維持透析となった認知症患者さんの退院後の家族支援」
◆東葛クリニック松戸 4階/内田ひとみ

認知症を伴う透析患者さんの在宅ケアは食事、睡眠、排泄、徘徊の予防など、家族に想像を絶する負担を強いることがあります。そうした状態を少しでも軽くするために、介護施設でのショートステイを奨めてみました。

7. 「高リン血症患者さんへの栄養指導」
~危機介入への失敗から学ぶ~
◆東葛クリニック八柱/竹越貴子

重篤な糖尿病を患う40代の患者さんが、両親の死など、社会的な危機に適応できず、高リン血症のまま治療の意欲をなくします。そんなとき、医療者側はどのような危機介入が可能でしょうか? 看護の可能性を考えます。

8. 「外来患者さんの待ち時間におけるニーズに関する現状調査」
◆東葛クリニック病院 外来/滝口裕子

外来患者さんにとって「待ち時間」は大きな苦痛です。このときにできる「待ち合い看護」について研究しました。結論は「待ち合い看護師」を常駐させ、患者さんへの「配慮・気遣い・声掛け」を実行することでした。

9. 「フットマッサージと足浴の効果」
~アロマオイルを使用してみて~
◆東葛クリニック我孫子/登 亜美

透析患者さんの多くは下肢冷感や浮腫、静脈瘤、痛みなど、足にさまざまな問題を抱えています。そこで、下肢の血行促進のため「両足10分の足浴」とアロマオイルを使用した「マッサージ」を実施。その効果は絶大でした。

10. 「リズムを刻もう」
~入眠障害の患者さんに光療法を試みて~
◆東葛クリニック病院 4階/佐賀由美

高齢者が入院すると、しばしば「概日リズム睡眠障害」に陥ることがあります。つまり、体内時計による1日24時間周期のリズムが刻めなくなるわけです。その治療法として日光浴などの「光療法」を取り入れてみました。

11. 「エコーレポートの有用性」
~穿刺技術の向上を目指して~
◆東葛クリニック小岩/水島紀子

透析患者さんにとって注射針を刺される「穿刺(せんし)」は大きなストレスです。それをミスなく行うために超音波診断装置を使用するとどのような効果が得られるか。穿刺トラブル減少への取り組みが報告されました。


【ケーススタディ発表】
12. 「認知症を患い施設で生活を送る患者さんへの透析導入指導を通して」
◆東葛クリニック病院 3階/高津由香里

2010年6月から9月まで、認知症を患った70歳の患者さんが入院されました。透析導入を得て笑顔で退院してもらうためにはどうしたらよいか。シャントの自己管理やご家族への支援を含めて、その経過が報告されました。

13. 「一人暮らしの患者さんの透析導入指導を通して」
◆東葛クリニック病院 3階/大野菜緒

わが国の一人暮らしのお年寄りは435万人とか。そのような方が透析導入を受けた場合どのようにケアすればよいか。「受け入れの5段階」から栄養指導に至るまで、「迷ったら患者さんの元へ」を実践してきたレポートです。


【チーム活動報告】
14. 「フットケアチームの活動報告」
◆フットケアナース/尾崎裕子

透析患者さんにとって痛覚を失う足の麻痺は深刻です。壊疽を防ぎ、切断から大切な足を守るにはどうしたらよいか。チーム医療の一員としてフットケアの最前線で看護に励む現場からの活動報告です。



看護研究発表会は今年で19回目。年を追うごとに内容が充実してきています。


患者さんの大切な足をどう守るか、フットケアの工夫に注目が寄せられました。


患者さん個々の寝姿勢に合わせてクッションを手作り。ちょっとした心遣いで患者さんのQOLは格段に向上します。


研究の成果を発表する仲間の看護師も真剣そのもの。その研究成果をお互いに分かち合う。


会場にはときに励まし、ときには厳しい質問が飛び、お互いに気持ちを一つにして理想の看護を目指す。


今回は約100名が参加。研究成果に真剣に耳を傾ける。


スタッフの成長とまとまりの良さを喜ぶ遠藤優子看護部長。「看護の仕事は毎日が成長」と言う。

東葛クリニック病院では、待ち時間を最小限とするために全ての診療科目で予約診療を行っております。
ご予約は、お電話もしくは外来受付に直接お越し下さい。急患の方はこの限りではありません。